1954-09-18 第19回国会 参議院 文部委員会 閉会後第12号
これは私たちの少し考え違いかも知れませんが、近頃大学の独立という声が非常に高い、そういうことに押されてしまつて、又そういうことに引ずり込まれるのは文部省の本意じやないというふうな気持すらするのでありますが、大学の自治はもとより必要ですが、本当に力を持つておる者に審査をさぜなければ、まだ赤ん坊のような育ち盛りの者に何もかも任せてやるということをおきめになるということは少し時期が早過ぎると思う。
これは私たちの少し考え違いかも知れませんが、近頃大学の独立という声が非常に高い、そういうことに押されてしまつて、又そういうことに引ずり込まれるのは文部省の本意じやないというふうな気持すらするのでありますが、大学の自治はもとより必要ですが、本当に力を持つておる者に審査をさぜなければ、まだ赤ん坊のような育ち盛りの者に何もかも任せてやるということをおきめになるということは少し時期が早過ぎると思う。
その次には学制の改革でございますが、近頃大学が四年制になつておりますが、初めの二年間は教養学部でございます。小学校、中学校の延長のような勉強をいたしておりまして、本当に専門の勉強は後の二年しかいたしておりません。二年間ではみつちりと研究ができませんので、非常に大学を卒業いたした人の学力が低下いたしておりまして、使いものにならないというのが実業家のほうからの声でございます。
近頃大学の自治という問題に便乗いたしまして、大学の構内というのは大学自体において取締るというような大体の空気が諸方面において濃厚でありますが、大学というものが一つの学理の探究とか、真理の発見とかに全身全霊を打込むということは勿論のことでございますが、併しそれにも限度というものがありまするし、全然これが日本の国内において治外法権的な取扱いを受けるということは、国家全体から考えまして相当考慮すべき重大なこれは